鈴木萌夏による展覧会「レントゲン藝術研究所とその周縁 − 1990年代前半の東京における現代美術 −」のための会場デザイン。


レントゲン藝術研究所は1991年~95年まで東京都大森東に存在した90年代を代表するオルタナティブ・ギャラリー。今を時めくアーティストやキュレーターたちが若かりし頃に集っていた伝説的な場所で、それを物語る膨大な資料と研究によって展示が構成される。


グラフィックや什器を兼ねた壁によって展示室内を分割したり、細々とした展示資料に一定のまとまりをもたせたりすることで、動線とスケールを適度に整理しながらも、ビジュアルとしては、レントゲンの、そして研究自体の熱量があふれ出るような展示構成を狙っている。


設営期間が極端に短く、かつ低予算であったため、壁や什器の材料としてプラダンを採用した。安価、運搬・施工が容易、塗装要らず、という一石三鳥を期待したものの、実際は規格が適当で寸法がバラバラ、直角が出ていない、傷だらけで配送されてくる、という三重苦に苛まれることとなった。



用途 | 展覧会

場所 | 東京藝術大学学生会館

面積 | 約100

期間 | 2024年12月13日~12月23

設計 | 小泉立

施工 | 小泉立, 加藤健吾

グラフィックデザイン | 中村陽道

撮影 |  澤田詩